NAME
Tripletail::DB - DBI のラッパ
SYNOPSIS
$TL->startCgi(
-DB => 'DB',
-main => \&main,
);
sub main {
my $DB = $TL->getDB('DB');
$DB->setDefaultSet('R_Trans');
$DB->tx(sub{
my $sth = $DB->execute(q{SELECT a, b FROM foo WHERE a = ?}, 999);
while (my $hash = $sth->fetchHash) {
$TL->print($hash->{a});
}
# commit is done implicitly.
});
$DB->tx('W_Trans' => sub{
$DB->execute(q{UPDATE counter SET counter = counter + 1 WHERE id = ?}, 1);
$DB->commit; # can commit explicitly.
}
}
DESCRIPTION
- 接続/切断は自動で行われる。
-
手動で接続/切断する場合は、connect/disconnectを使うこともできるが、なるべく使用しないことを推奨。
- 実行クエリの処理時間・実行計画・結果を記録するデバッグモード。
- prepare/executeを分けない。fetchは分けることもできる。
- 拡張プレースホルダ機能
-
$db->execute(q{select * from a where mode in (??)}, ['a', 'b'])
と記述すると、
$db->execute(q{select * from a where mode in (?, ?)}, 'a', 'b')
のように解釈される。
- プレースホルダの値渡しの際に型指定が可能
-
$db->execute(q{select * from a limit ??}, [10, \'SQL_INTEGER'])
型指定ができるのは拡張プレースホルダのみです. 通常の
?
によるプレースホルダではエラーとなります. - リクエスト処理完了後のトランザクション未完了やunlock未完了を自動検出
- DBグループ・DBセット・DBコネクション
-
Tripletail::DBでは、レプリケーションを利用してロードバランスすることを支援するため、 1つのDBグループの中に、複数のDBセットを定義することが可能となっている。 DBセットの中には、複数のDBコネクションを定義できる。
更新用DBセット、参照用DBセット、などの形で定義しておき、プログラム中で トランザクション単位でどのDBセットを使用するか指定することで、 更新用クエリはマスタDB、参照用クエリはスレーブDB、といった 使い分けをすることが可能となる。
DBセットには複数のDBコネクションを定義でき、複数定義した場合は プロセス単位でプロセスIDを元に1つのコネクションが選択される。 (プロセスIDを定義数で割り、その余りを使用して決定する。)
同じDBグループの中の複数のDBセットで同じDBコネクション名が使用された場合は、 実際にDBに接続されるコネクション数は1つとなる。 このため、縮退運転時に参照用DBセットのDBコネクションを更新用の ものに差し替えたり、予め将来を想定して多くのDBセットに分散 させておくことが可能となっている。
DBセットの名称はSET_XXXX(XXXXは任意の文字列)でなければならない。 DBコネクションの名称はCON_XXXX(XXXXは任意の文字列)でなければならない。
いずれのDBコネクションも利用可能である必要があり、 接続できなかった場合はエラーとなる。
DBのフェイルオーバーには(現時点では)対応していない。
DBI からの移行
Tripletail の DB クラスは DBI に対するラッパの形となっており、多くのインタフェースは DBI のものとは異なる。 ただし、いつでも $DB->getDbh()
メソッドにより元の DBI オブジェクトを取得できるので、 DBI のインタフェースで利用することも可能となっている。
DBI のインタフェースは以下のようなケースで利用できる。 ただし、 DBI を直接利用する場合は、TLの拡張プレースホルダやデバッグ機能、トランザクション整合性の管理などの機能は利用できない。
- ラッパに同等の機能が用意されていない場合。
- 高速な処理が必要で、ラッパのオーバヘッドを回避したい場合。
-
DBI に対するラッパであるため、大量の SQL を実行する場合などはパフォーマンス上のデメリットがある。
DBI での SELECT は、以下のように置き換えられる。
# DBI
my $sth = $DB->prepare(q{SELECT * FROM test WHERE id = ?});
$sth->execute($id);
while(my $data = $sth->fetchrow_hashref) {
}
# TL
my $sth = $DB->execute(q{SELECT * FROM test WHERE id = ?}, $id);
while(my $data = $sth->fetchHash) {
}
TL では prepare/execute は一括で行い、 prepared statement は利用できない。
INSERT
・UPDATE
は、以下のように置き換えられる。
# DBI
my $sth = $DB->prepare(q{INSERT INTO test VALUES (?, ?)});
my $ret = $sth->execute($id, $data);
# TL
my $sth = $DB->execute(q{INSERT INTO test VALUES (?, ?)}, $id, $data);
my $ret = $sth->ret;
prepare/execute を一括で行うのは同様であるが、 execute の戻り値は$sth
オブジェクトであり、影響した行数を取得するためには $sth->ret
メソッドを呼ぶ必要がある。
プレースホルダの型指定は以下のように行う。
# DBI
my $sth = $DB->prepare(q{SELECT * FROM test LIMIT ?});
$sth->bind_param(1, $limit, { TYPE => SQL_INTEGER });
$sth->execute;
# TL
my $sth = $DB->execute(q{SELECT * FROM test LIMIT ??}, [$limit, \'SQL_INTEGER']);
TLの拡張プレースホルダ(??で表記される)を利用し、配列のリファレンスの最後に型をスカラのリファレンスの形で渡す。 拡張プレースホルダでは、複数の値を渡すことも可能である。
# DBI
my $sth = $DB->prepare(q{SELECT * FROM test LIMIT ?, ?});
$sth->bind_param(1, $limit, { TYPE => SQL_INTEGER });
$sth->bind_param(2, $offset, { TYPE => SQL_INTEGER });
$sth->execute;
# TL
my $sth = $DB->execute(q{SELECT * FROM test LIMIT ??}, [$limit, $offset, \'SQL_INTEGER']);
INSERTした行のAUTO_INCREMENT値の取得は、getLastInsertId で行える。
# DBI
my $id = $DB->{mysql_insertid};
# TL
my $id = $DB->getLastInsertId;
拡張ラッパでは制御できない機能にアクセスする場合などは、 DBI のハンドラを直接利用する。
# DBI
my $id = $DB->{RowCacheSize};
# TL
my $id = $DB->getDbh()->{RowCacheSize};
トランザクションには $DB->tx(sub{...})
メソッドを用いる。 DBセットを指定する時には $DB->tx(dbset_name=>sub{...})
となる。 渡したコードをトランザクション内で実行する。 die なしにコードを抜けた時に自動的にコミットされる。 途中で die した場合にはトランザクションはロールバックされる。
# DBI
$DB->do(q{BEGIN WORK});
# do something.
$DB->commit;
# TL
$DB->tx(sub{
# do something.
});
begin()
メソッドも実装はされているがその使用は非推奨である。 また、 $DB->execute(q{BEGIN WORK});
として利用することはできない。
拡張プレースホルダ詳細
"execute" に渡される SQL 文には、通常のプレースホルダの他に、 拡張プレースホルダ "??" を埋め込む事が出来る。 拡張プレースホルダの置かれた場所には、パラメータとして通常のスカラー値でなく、 配列へのリファレンスを与えなければならない。配列が複数の値を持っている場合には、 それらが通常のプレースホルダをカンマで繋げたものに展開される。
例: 以下の二文は等価
$DB->execute(
q{SELECT * FROM a WHERE a IN (??) AND b = ?},
['AAA', 'BBB', 'CCC'], 800);
$DB->execute(
q{SELECT * FROM a WHERE a IN (?, ?, ?) AND b = ?},
'AAA', 'BBB', 'CCC', 800);
パラメータとしての配列の最後の項目が文字列へのリファレンスである時、その文字列は SQL 型名として扱われる。配列が複数の値を持つ時には、その全ての要素に対して 型指定が適用される。型名はDBI.pmで定義される。
例:
$DB->execute(q{SELECT * FROM a LIMIT ??}, [20, \'SQL_INTEGER']);
==> SELECT * FROM a LIMIT 20
$DB->execute(q{SELECT * FROM a LIMIT ??}, [20, 5, \'SQL_INTEGER']);
==> SELECT * FROM a LIMIT 20, 5
配列内の要素を更に2要素の配列とし、二番目の要素を文字列へのリファレンスと する事で、要素の型を個別に指定出来る。
例:
$DB->execute(
q{SELECT * FROM a WHERE a IN (??) AND b = ?},
[[100, \'SQL_INTEGER'], 'foo', \'SQL_VARCHAR'], 800);
==> SELECT * FROM a WHERE a IN (100, 'foo') AND b = '800'
METHODS
Tripletail::DB
メソッド
$TL->getDB
-
$DB = $TL->getDB $DB = $TL->getDB($inigroup)
Tripletail::DB オブジェクトを取得。 引数には Ini で設定したグループ名を渡す。 引数省略時は 'DB' グループが使用される。
$TL->startCgi / $TL->trapError の関数内でDBオブジェクトを取得する場合に使用する。
$TL->newDB
-
$DB = $TL->newDB $DB = $TL->newDB($inigroup)
新しく Tripletail::DB オブジェクト作成。 引数には Ini で設定したグループ名を渡す。 引数省略時は 'DB' グループが使用される。
動的にコネクションを作成したい場合などに使用する。 この方法で Tripletail::DB オブジェクトを取得した場合、"connect" / "disconnect" を呼び出し、接続の制御を行う必要がある。
connect
-
DBに接続する。
$TL->startCgi / $TL->trapError の関数内でDBオブジェクトを取得する場合には自動的に接続が管理されるため、このメソッドを呼び出してはならない。
$TL->newDB で作成した Tripletail::DB オブジェクトに関しては、このメソッドを呼び出し、DBへ接続する必要がある。
connect
時には、AutoCommit
及びRaiseError
オプションは 1 が指定され、PrintError
オプションは 0 が指定される。 disconnect
-
DBから切断する。
$TL->startCgi / $TL->trapError の関数内でDBオブジェクトを取得する場合には自動的に接続が管理されるため、このメソッドを呼び出してはならない。
$TL->newDB で作成した Tripletail::DB オブジェクトに関しては、このメソッドを呼び出し、DBへの接続を切断する必要がある。
tx
-
$DB->tx(sub{...}) $DB->tx('SET_W_Trans' => sub{...})
指定されたDBセット名でトランザクションを開始し、その中でコードを 実行する。トランザクション名(DBセット名) は ini で定義されていな ければならない。名前を省略した場合は、デフォルトのDBセットが使われるが、 setDefaultSetによってデフォルトが選ばれていない場合には例外を発生させる。
コードを die なしに終了した時にトランザクションは暗黙にコミットされる。 die した場合にはロールバックされる。 コードの中で明示的にコミット若しくはロールバックを行うこともできる。 明示的にコミット若しくはロールバックをした後は、
tx
を抜けるまで DB 操作は禁止される。 この間の DB 操作は例外を発生させる。 rollback
-
$DB->rollback
現在実行中のトランザクションを取り消す。
commit
-
$DB->commit
現在実行中のトランザクションを確定する。
inTx
-
$DB->inTx() and die "double transaction"; $DB->inTx('SET_W_Trans') or die "transaction required";
既にトランザクション中であるかを確認する。 既にトランザクション中であれば真を、 他にトランザクションが走っていなければ偽を返す。 トランザクションの指定も可能。 異なるDBセット名のトランザクションが実行中だった場合には 例外を発生させる。
begin
-
$DB->begin $DB->begin('SET_W_Trans')
非推奨。"tx" を使用のこと。
指定されたDBセット名でトランザクションを開始する。トランザクション名 (DBセット名) は ini で定義されていなければならない。 名前を省略した場合は、デフォルトのDBセットが使われるが、 setDefaultSetによってデフォルトが選ばれていない場合には例外を発生させる。
CGIの中でトランザクションを開始し、終了せずに Main 関数を抜けた場合は、自動的に
rollback
される。トランザクション実行中にこのメソッドを呼んだ場合には、例外を発生させる。 1度に開始出来るトランザクションは、1つのDBグループにつき1つだけとなる。
setDefaultSet
-
$DB->setDefaultSet('SET_W_Trans')
デフォルトのDBセットを選択する。ここで設定されたDBセットは、引数無しのbegin() や、beginせずに行ったexecuteの際に使われる。このメソッドは Main 関数 の先頭で呼ばれる事を想定している。
execute
-
$DB->execute($sql, $param...) $DB->execute(\'SET_W_Trans' => $sql, $param...)
SELECT
/UPDATE
/DELETE
などの SQL 文を実行する。 第1引数に SQL 、第2引数以降にプレースホルダの引数を渡す。 ただし、第1引数にリファレンスでDBセットを渡すことにより、 トランザクション外での実行時にDBセットを指定することが可能。第2引数以降の引数では、拡張プレースホルダが使用できる。 "拡張プレースホルダ詳細" を参照。
既にトランザクションが実行されていれば、そのトランザクションの DBセットで SQL が実行される。
トランザクションが開始されておらず、かつ "lock" により テーブルがロックされていれば、ロックをかけているDBセットで SQL が実行される。
いずれの場合でもない場合は、"setDefaultSet" で指定された トランザクションが使用される。 "setDefaultSet" による設定がされていない場合は、例外を発生させる。
このメソッドを使用して、
LOCK
/UNLOCK
/BEGIN
/COMMIT
といった SQL 文を 実行してはならない。実行しようとした場合は例外を発生させる。 代わりに専用のメソッドを使用する事。 selectAllHash
-
$DB->selectAllHash($sql, $param...) $DB->selectAllHash(\'SET_W_Trans' => $sql, $param...)
SELECT結果をハッシュの配列へのリファレンスで返す。 データがない場合は [] が返る。
my $arrayofhash = $DB->selectAllHash($sql, $param...); foreach my $hash (@$arrayofhash){ $TL->log(DBDATA => "name of id $hash->{id} is $hash->{name}"); }
selectAllArray
-
$DB->selectAllArray($sql, $param...) $DB->selectAllArray(\'SET_W_Trans' => $sql, $param...)
SELECT結果を配列の配列へのリファレンスで返す。 データがない場合は [] が返る。
my $arrayofarray = $DB->selectAllArray($sql, $param...); foreach my $array (@$arrayofarray){ $TL->log(DBDATA => $array->[0]); }
selectRowHash
-
$DB->selectRowHash($sql, $param...) $DB->selectRowHash(\'SET_W_Trans' => $sql, $param...)
SELECT結果の最初の1行をハッシュへのリファレンスで返す。 実行後、内部で
finish
する。 データがない場合は undef が返る。my $hash = $DB->selectRowHash($sql, $param...); $TL->log(DBDATA => "name of id $hash->{id} is $hash->{name}");
selectRowArray
-
$DB->selectRowArray($sql, $param...) $DB->selectRowArray(\'SET_W_Trans' => $sql, $param...)
SELECT結果の最初の1行を配列へのリファレンスで返す。 実行後、内部で
finish
する。 データがない場合は undef が返る。my $array = $DB->selectRowArray($sql, $param...); $TL->log(DBDATA => $array->[0]);
upsert
-
$DB->upsert( 'table1', {key1 => 'val1', key2 => 'val2'}, # $keys {val3 => 'val3', val4 => 'val4'}); # $values $DB->upsert( 'schema1', # スキーマ名 'table1', {key1 => 'val1', key2 => 'val2'}, # $keys {val3 => 'val3', val4 => 'val4'}); # $values $DB->upsert( \'SET_W_Trans', 'table1', {key1 => 'val1', key2 => 'val2'}, # $keys {val3 => 'val3', val4 => 'val4'}); # $values
テーブルの特定の一行に対して UPDATE を実行し、もし該当行が存在しなければ INSERT を実行するという処理を、たとえトランザクションの外で行われた場合であってもアトミックに行う。
与えられたテーブル名やスキーマ名は、内部で自動的に symquote した上で SQL 文に埋め込まれる。
$keys
はテーブルの一意キー(通常は主キー)からその値へのハッシュテーブル。 その内容はテーブルの一意キーが渡っているカラムと一致していなければならない。 つまりこのキー集合によってテーブル上のカラムを常に一意に特定する事ができなければならない。$values
はそれ以外のカラム名からその値へのハッシュテーブルであり、省略も可能。 上記の例に挙げたコードは、まず次のような UPDATE 文を実行し、UPDATE table1 SET val3 = 'val3', val4 = 'val4' WHERE key1 = 'val1', key2 = 'val2'
該当する行が存在しなければ次のような INSERT 文を実行する。
INSERT INTO table1 ( key1 , key2 , val3 , val4 ) VALUES ('val1', 'val2', 'val3', 'val4')
現在 pgsql のみで利用可能。
findTables
-
my $sth = $DB->findTables({ set => 'SET_W_Trans', # 省略可能 schema => 'schema', # 省略可能 table => 'table\\_%' # 省略可能 }); while (my $row = $sth->fetchHash) { print $row->{TABLE_NAME}, "\n"; }
データベース内に存在するテーブルの一覧を得るための
Tripletail::DB::Sth
オブジェクトを返す。スキーマ名やテーブル名に
_
または%
記号が含まれていた場合は、その文字列は LIKE 演算子のワイルドカードと見倣される。省略も可能であり、その場合は全てのスキーマ名または全てのテーブル名にマッチする'%'
が指定された場合と同様の結果になる。undef
の場合も同様。このメソッドにより得られた
Tripletail::DB::Sth
オブジェクトの返す各行はDBI->table_info()
と同等である。詳しくは http://search.cpan.org/dist/DBI/DBI.pm#table_info を参照。 getTableColumns
-
my $columns_ref = $DB->getTableColumns(\'SET_W_Trans', 'schema', 'table'); my $columns_ref = $DB->getTableColumns(\'SET_W_Trans', 'table'); my $columns_ref = $DB->getTableColumns('schema', 'table'); my $columns_ref = $DB->getTableColumns('table'); if ($columns_ref) { foreach my $column_ref (@$columns_ref) { printf( "%s :: %s\n", $column_ref->{ COLUMN_NAME }, $column_ref->{ TYPE_NAME }); } } else { print "table not found\n"; }
テーブルの持つカラムの一覧を、ハッシュリファレンスを要素とする配列リファレンスで返す。 その要素であるカラム情報は
DBI->column_info()
から得られるものと同等である。 詳しくは http://search.cpan.org/dist/DBI/DBI.pm#column_info を参照。指定されたテーブルが存在しない場合、このメソッドは
undef
を返す。 lock
-
$DB->lock(set => 'SET_W_Trans', read => ['A', 'B'], write => 'C')
指定されたDBセットに対して
LOCK TABLES
を実行する。set
が省略された場合はデフォルト のDBセットが選ばれる。 CGI の中でロックした場合は、 Main 関数 を抜けた時点で自動的に unlock される。ロック実行中にこのメソッドを呼んだ場合には、例外を発生させる。 1度に開始出来るロックは、1つのDBグループにつき1つだけとなる。
現在 mysql でのみ使用可能.
mysql ではロック中にテーブルのエイリアスを使用する場合、エイリアスに対してもロックを指定する必要がある。これを行うには、テーブル名の文字列の替わりにハッシュのリファレンス {'テーブル名' => 'エイリアス'} を指定する。次に、テーブル sample とそのエイリアス A, B をロックする例を示す。
$DB->lock(read => ['sample', {'sample' => 'A'}, {'sample' => 'B'}]); $DB->execute(q{ SELECT sample.nval, A.nval as A, B.nval as B FROM sample, sample AS A, sample AS B WHERE sample.nval + 1 = A.nval AND A.nval + 1 = B.nval }); $DB->unlock;
unlock
-
$DB->unlock
UNLOCK TABLES
を実行する。 ロックがかかっていない場合は例外を発生させる。現在 mysql でのみ使用可能.
setBufferSize
-
$DB->setBufferSize($kbytes)
バッファサイズをKB単位でセットする。行を1行読み込んだ結果 このサイズを上回る場合、
die
する。0
またはundef
をセットすると、制限が解除される。 quote
-
$DB->quote($literal)
文字列をリテラルとしてクォートする。
通常
'a b c'
のようにシングルクオートで文字列が囲まれる。 symquote
-
$DB->symquote($sym)
文字列を識別子としてクォートする。
mysql の場合は
`a b c`
となり、それ以外の場合は"a b c"
となる。 escapeLike
-
$DB->escapeLike($pattern)
与えられた文字列を LIKE 演算子のパターンと見倣して、そのワイルドカード記号をエスケープする。 エスケープの方法は各データベースエンジンによって異なるが、多くの場合は次の式が成立する。
$DB->escapeLike('foo') eq 'foo' $DB->escapeLike('f_o') eq 'f\\_o' $DB->escapeLike('f%o') eq 'f\\%o' $DB->escapeLike('f\\') eq 'f\\\\'
getType
-
$DB->getType;
DBのタイプを返す。
(mysql, pgsql, ...)
getDbh
-
$dbh = $DB->getDbh $dbh = $DB->getDbh('SET_W_Trans')
DBセット内のDBハンドルを返す。 返されるオブジェクトは DBI ネイティブの
dbh
である。ネイティブのDBハンドルを使用してクエリを発行した場合、デバッグ機能(プロファイリング等)の機能は使用できません。 また、トランザクションやロック状態の管理もフレームワークで行えなくなるため、注意して使用する必要があります。
getLastInsertId
-
$id = $DB->getLastInsertId()
セッション内の最後の自動採番の値を取得.
Tripletail::DB::Sth
メソッド
fetchHash
-
$sth->fetchHash
ハッシュへのリファレンスで1行取り出す。
fetchArray
-
$sth->fetchArray
配列へのリファレンスで1行取り出す。
ret
-
$sth->ret
最後に実行した execute の戻り値を返す。
rows
-
$sth->rows
DBI と同様。
finish
-
$sth->finish
DBI と同様。
nameArray
-
$sth->nameArray
$sth->{NAME_lc}
を返す。 nameHash
-
$sth->nameHash
$sth->{NAME_lc_hash}
を返す。
Ini パラメータ
DBセット・DBコネクション
DBグループのパラメータのうち、半角小文字英数字のみで構成された パラメータは予約済みで、DBグループの動作設定に使用する。 DBセットは、予約済みではない名前であれば任意の名称が使用でき、 値としてDBコネクションのINIグループ名をカンマ区切りで指定する。
例:
[DB]
namequery=1
autoretry=1
type=mysql
defaultset=SET_R_Trans
SET_W_Trans=CON_DBW1
SET_R_Trans=CON_DBR1,CON_DBR2
[CON_DBW1]
dbname=test
user=daemon
host=192.168.0.100
[CON_DBR1]
dbname=test
user=daemon
host=192.168.0.110
[CON_DBR2]
dbname=test
user=daemon
host=192.168.0.111
以下は特別なパラメータ:
namequery
-
namequery = 1
これを1にすると、実行しようとしたクエリのコマンド名の直後に
/* foo.pl:111 [DB.R_Transaction1.DBR1] */
のようなコメントを挿入する。 デフォルトは0。 autoretry
-
autoretry = 1
これを 1 にすると "tx" を用いて実行されたトランザクションがデッドロックにより失敗した場合に自動的にトランザクションを再実行する。 データベースがデッドロック検出機構を持っていない場合には再実行は行われない。デフォルトは 0。
なお単体の "execute" がデッドロックを起こした場合には、この設定とは無関係に必ず再実行される。
type
-
type = mysql
DBの種類を選択する。 mysql, pgsql, oracle, interbase, sqlite, mssql が使用可能。 必須項目。
defaultset
-
defaultset = SET_W_Trans
デフォルトのDBセットを設定する。 ここで設定されたDBセットは、引数無しのbegin()や、beginせずに行ったexecuteの際に使われる。
DB定義
dbname
-
dbname = test
DB名を設定する。
host
-
host = localhost
DBのアドレスを設定する。 デフォルトは
localhost
。 user
-
user = www
DBに接続する際のユーザー名を設定する。
password
-
password = PASS
DBに接続する際のパスワードを設定する。 省略可能。
mysql_read_default_file
-
mysql_read_default_file = .../tl_mysql.cnf
mysql クライアントライブラリが使用する設定ファイル my.cnf のパスを指定する。 パスの指定を .../ で始めることで、 ini ファイルからの相対パスとして指定する事も可能。 設定ファイルを使用する事で、 default-character-set 等の Tripletail::DB や DBD::mysql からは設定できない項目が設定できる。 また、設定ファイルで user, password, host 等の値を指定する場合は、 Ini パラメータ のDBコネクションの値を省略する事ができる。(dbname だけは省略できない)
mysql_read_default_group
-
mysql_read_default_group = tripletail
mysql_read_default_file 指定時に、設定ファイル中のどのグループを使用するかを指定する。 グループを指定した場合は、 [client] グループの設定と指定したグループの設定の両方が有効になる。 グループを指定しない場合、 [client] グループの設定のみが有効となる。
SQL Server 設定
試験的に SQL Server との接続が実装されています. DBD::ODBC と, Linux であれば unixODBC + freetds で, Windows であれば 組み込みの ODBC マネージャで動作します.
設定例:
# <tl.ini>
[DB]
type=mssql
defaultset=SET_W_Trans
SET_W_Trans=CON_RW
[CON_RW]
# dbname に ODBC-dsn を設定.
dbname=test
user=test
password=test
# freetds経由の時は, そちらのServernameも指定.
tdsname=tds_test
freetds での接続文字コードの設定は freetds.conf で 設定します.
;; <freetds.conf>
[tds_test]
host = 10.0.0.1
;;port = 1433
tds version = 7.0
client charset = UTF-8
SEE ALSO
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HP : http://tripletail.jp/