NAME

YATT::Lite::XHF::Syntax(ja) - Extended Header Fields (XHF) フォーマットの構文定義

SYNOPSIS

require YATT::Lite::XHF;

my $parser = YATT::Lite::XHF->new(string => <<'END');
# Taken from http://docs.ansible.com/YAMLSyntax.html#yaml-basics
name: Example Developer
job: Developer
skill: Elite
employed: 1
foods[
- Apple
- Orange
- Strawberry
- Mango
]
languages{
ruby: Elite
python: Elite
dotnet: Lame
}

name: hkoba
languages{
yatt: Elite?
}
END

# read() は(\n\n+ で区切られた)一パラグラフ分のレコードを返します,
# リストコンテキストでは, 戻り値はフラットなリストです。
# 通常、それは キー: 値 組のリストですが、それ以外のものを含めることも出来ます。
# スカラコンテキストで呼び出した場合は hash が返ります
while (my %hash = $parser->read) {
  print Dumper(\%hash), "\n";
}

DESCRIPTION

Extended Header Fields (XHF) フォーマットとは hkoba が独自に定義した俺々フォーマットで、 電子メールのヘッダHTTP の ヘッダ をベースに、 入れ子データ構造 のための拡張を加えたものです。 XHF 形式のファイルや文字列を load/parse するには YATT::Lite::XHF を使って下さい。

Note: 元々 XHF は unit test のテスト入力・出力ペアを簡単に書くために 設計されました。シリアライザ (YATT::Lite::XHF::Dumper) も用意してありますが、 決して完全な(perl の任意のデータ構造をシリアライズすることを目指した)ものでは ありません。そのような用途には YAML 一族や, Storable などを用いて下さい。

最小限のエスケープルール

最も単純な用途では、 YAML と XHF はとても良く似て見えます。例えば、 {foo => 1, bar => 2} というデータを表現する時、YAML と XHF は同じように書けます。

foo: 1
bar: 2

しかし、少し複雑なデータ構造になると、段々違いが見えてきます。 例えば {x => [1, 2, "3, 4"], y => 5}

XHF では以下のように書けます:

{
x[
- 1
- 2
- 3, 4
]
y: 5
}

同じものを YAML ではこう書くでしょう:

---
x:
  - 1
  - 2
  - '3, 4'
y: 5

両者の違いは:

  • XHF は 括弧 {} [] を用い、YAML は 字下げ を使って構造を表す。

  • XHF では 3, 4 はそのまま表記できるが、YAML では エスケープして '3, 4' と書かねばならない。

複数行文字列と、"書いたまま"モード

XHF の キー:値 ペアの 部分では、エスケープする必要がある文字は 改行文字 \n (と、値の前後の空白文字) だけです。 つまり、値部分には全く「構文」がありません。ですので、 値部分を書く時に覚えなければならないことは、実質的に無いも同然なのです。

値の中に改行を含めたい場合

単純に、全ての改行 "\n" を改行+SPACE "\n " で置換して下さい。 つまり s/\n/\n /g するだけです。

例: { foo => "1\n2\n\n3", bar => 4 } は以下のように書けます:

foo: 1
 2
 
 3
bar: 4
先頭・末尾にスペース/タブ/改行を残したい場合は?

キーと値の区切りを、 ": " の代わりに ":\n" で書くだけです。 後は他と同様、値の中の "\n" をエスケープするだけで構いません。

例: { foo => " x ", bar => "\n\ny\n\n" } は以下のように書けます:

foo:
  x  
bar:
 
 
 y
 
 

キーと値を個別のアイテムとして書ける

XHF のキー部分には、書ける文字に強い制限が有ります(値部分と違って). 具体的には [[:alnum:]], "-", ".", "/" そして 幾つかの追加の文字(詳細は "BNF"field-name の定義を参照) です。

しかしながら、 キー: 値 と書く代わりに、- キー, - 値 と2つのアイテムを 連続して書くことで、同じ意味を表すことが出来ます。この2つの書き方は、 どこでも入れ替えて使うことが出来ます。 ですので、もし面倒なら、キー部分を全部 - キー 表記で書いて、 (値と同じく)改行 \n だけエスケープする、でも構いません。

# 例えば、以下のブロック:

foo: 1
bar: 2

# 上記は、以下と同じ結果になります

- foo
- 1
- bar
- 2

例: { "foo bar" => "baz" } は以下のように書けます:

{
- foo bar
- baz
}

別の例: { "\n foo\nbar \n" => "baz" } は以下のように書けます。

{
-

   foo
 bar

- baz
}

入れ子になったデータ構造でも、同じ法則が適用できます。

foo{
x: 1
y: 2
}
baz[
- z
]

# can be written instead as following:

- foo
{
x: 1
y: 2
}
- baz
[
- z
]

# or even like following:

- foo
{
- x
- 1
- y
- 2
}
- baz
[
- z
]

キー: 値 記法は配列の中でも使えます:

[
foo: 1
bar: 2
]

# above is equal to following

[
- foo
- 1
- bar
- 2
]

リストを格納するコンテナの型は外側が決める

もう一つの重要な違いは、コンテナの型の選択方法です。 XHF では キー・値を区切る区切り文字は、"値部分の型" を決めるものです。 これは区切り文字が外側のコンテナの型を決める YAML とは大きく違います。

XHF では、以下のブロック:

foo: 1
bar: 2

は、( foo => 1, bar => 2 ) つまり4つの要素からなるフラットなリスト、を表します。このリストをどんなコンテナに格納するのかは、呼び出し側が自由に決めて構いません。 例えば辞書に格納したいなら:

my %dict = $parser->read;

配列に格納したいなら:

my @array = $parser->read;

なお、もしスカラコンテキストで呼び出した場合は、辞書が作られます (もし奇数個しか要素がないなら、エラーになります).

my $dict = $parser->read;

これに対して YAML では : は常に map(dictionary) を意味します。 ですので、上記は +{ foo => 1, bar => 2 } を返すでしょう。

順序付き、キー・値ペアのリスト、重複有り

以上のように XHF のブロックの一番外側はフラットなリストを表しているので、 そこには (Perl の HASH データ構造から来る) 制限は適用されません。 従って、Perl の HASH では許されないような、キーの順序や、キーの重複を 表現することも、以下のように一応可能です:

foo: 1
foo: 2
foo: 3
bar: x
bar: y

上記を以下のスクリプトで読むと

my @array = $parser->read;

@array には (foo => 1, foo => 2, foo => 3, bar => 'x', bar => 'y') が格納されるでしょう。

この機能は、ある種のテストデータを表現するために、時に大いに役立ちます。 (例えば HTTP のクエリ引数や、 Email ヘッダの "Received" フィールド). 例えば上記の XHF が表すデータと 等価な http クエリパラメータを作る html form は、以下のように書けるでしょう:

<input type="checkbox" name="foo" value="1">
<input type="checkbox" name="foo" value="2">
<input type="checkbox" name="foo" value="3">
<input type="checkbox" name="bar" value="x">
<input type="checkbox" name="bar" value="y">

Note: 現在のところ、入れ子要素は perl の普通の HASH と ARRAY に変換されます。 ですので、上記の順序・重複保護が有効に働くのは、一番外側のみです。

パラグラフのストリーム (コメント読み飛ばし付き)

XHF の入力ストリームは連続空行 "\n\n+" で区切られます (これは Email ヘッダや HTTP ヘッダと同様です)。 これは Perl の(懐かしの) パラグラフモードに基づく複数行レコードのフォーマットが ベースになっています。Perl でパラグラフモードを扱うためのマニュアルは perl -00Setting $RS to "" を参照して下さい。

Note: XHF では "コメントのみを含む" ブロックは自動的に読み捨てられます。例えば:

foo: 1
bar: 2

# どや! ここにコメントだけのブロックがおんねん!


baz: 3
qux: 4

上記を以下のスクリプトで読むとします:

my @records;
push @records, $_ while $_ = $parser->read;

すると @records には2つの要素 ({foo => 1, bar => 2}, {baz => 3, qux => 4}) だけが入ります。

メタ要素を入れたいときは?

ごく稀に、一つのストリームに、メタ情報的なものを含めたり、含めなかったり! したくなる時が有ります。そんな時は、ストリームの先頭で、一回だけ read(skip_comment => 0) のように、 "コメントのみブロック"の読み捨て機能をオフにして読み込む、というハックが使えます:

# これがメタ情報. 下の test => 1 を有効にするには、次の行頭の "# " を削って下さい
# test: 1


# This is body1
foo: 1
bar: 2

# This is body2
foo: 3
bar: 4

スクリプトはこんな感じです。

if (my @meta = $parser->read(skip_comment => 0)) {
  # process metainfo. You may get (test => 1).
}
while (my @content = $parser->read) {
  # process body1, body2, ...
}

複雑な例 (YAML との対比つき)

Here is a more dense example in XHF:

name: hkoba
# (1) You can write a comment line here, starting with '#'.
job: Programming Language Designer (self-described;-)
skill: Random
employed: 0
foods[
- Sushi
#(2) here too. You don't need space after '#'. This will be good for '#!'
- Tonkatsu
- Curry and Rice
[
- More nested elements
]
]
favorites[
# (3) here also.
{
title: Chaika - The Coffin Princess
# (4) ditto.
heroine: Chaika Trabant
}
{
title: Witch Craft Works
heroine: Ayaka Kagari
# (5) You can use leading "-" for hash key/value too (so that include any chars)
- Witch, Witch!
- Tower and Workshop!
}
# (6) You can put NULL(undef) like below. (equal space sharp+keyword)
= #null
]

Above will be loaded like following structure:

$VAR1 = {
        'foods' => [
                   'Sushi',
                   'Tonkatsu',
                   'Curry and Rice',
                   [
                     'More nested element'
                   ]
                 ],
        'job' => 'Programming Language Designer (self-described;-)',
        'name' => 'hkoba',
        'employed' => '0',
        'skill' => 'Random',
        'favorites' => [
                       {
                         'heroine' => 'Chaika Trabant',
                         'title' => 'Chaika - The Coffin Princess'
                       },
                       {
                         'title' => 'Witch Craft Works',
                         'heroine' => 'Ayaka Kagari',
                         'Witch, Witch!' => 'Tower and Workshop!'
                       },
                       undef
                     ]
      };

Above will be written in YAML like below (note: inline comments are omitted):

---
employed: 0
favorites:
  - heroine: Chaika Trabant
    title: 'Chaika - The Coffin Princess'
  - 'Witch, Witch!': Tower and Workshop!
    heroine: Ayaka Kagari
    title: Witch Craft Works
  - ~
foods:
  - Sushi
  - Tonkatsu
  - Curry and Rice
  -
    - More nested element
job: Programming Language Designer (self-described;-)
name: hkoba
skill: Random

This YAML example clearly shows how you need to escape strings quite randomly, e.g. see above value of $VAR1->{favorites}[0]{title}. Also the key of $VAR1->{favorites}[1]{'Witch, Witch!'} is nightmare.

I don't want to be bothered by this kind of escaping. That's why I made XHF.

FORMAT SPECIFICATION

XHF は(空行で区切られた)パラグラフ一個ずつの単位でパースされます。 個々のパラグラフは複数の xhf-item を含むことが出来ます。 全ての xhf-item は必ず行の先頭から始まり、最後は改行で終わります。 xhf-item は以下の2つのうち、どちらかの形式を取ります。

<name> <type-sigil> <sep> <value>         (name-value pair)

<type-sigil> <sep> <value>                (standalone value)

type-sigilvalue の型を決めます。 sep は空白文字(スペース、タブ、改行) のいずれかです。 sepが改行の場合は 書いたままモード(verbatim text)) を意味します。 ただし dict/array ブロックの場合は、sep は改行だけしか許されません。

type-sigil の全リストと、使える sep は以下の通りです。

"name:" then " " or "\n"

":" は文字列値を(名前付きで)格納します。名前の省略は出来ません。 sep は全ての空白文字です。

"-" then " " or "\n"

"-" は文字列値を(名前抜きで)格納します。名前は書いてはいけません。

(Note: Currently, "," works same as "-". This feature is arguable.)

"{" then "\n"
"name{" then "\n"

"{" は辞書ブロック ( { %HASH } コンテナ)の始まりです。 名前を付けることが出来ます。

このブロックは "}\n" で閉じられねばなりません。 また、要素の個数は偶数個でなければなりません。

"[" then "\n"
"name[" then "\n"

"[" は配列ブロック( [ @ARRAY ] コンテナ)の始まりです。 名前をつけることが出来ます。

このブロックは "]\n" で閉じられねばなりません。

"=" then " " or "\n"
"name=" then " " or "\n"

"=" は特別な値を格納するために使います。 名前を付けることが出来ます。

現状では、#undef と、同じ意味の別表記である #null だけが定義されています。

"#"

"#" は埋め込みコメントを格納するために使います。 名前を付けることは出来ません。

XHF Syntax definition in extended BNF

Here is a syntax definition of XHF in extended BNF (roughly following ABNF.)

xhf-block       = 1*xhf-item

xhf-item        = field-pair / single-text
                 / dict-block / array-block / special-expr
                 / comment

field-pair      = field-name  field-value

field-name      = 1*NAME *field-subscript

field-subscript = "[" *NAME "]"

field-value     = ":" text-payload / dict-block / array-block / special-expr

text-payload    = ( trimmed-text / verbatim-text ) NL

trimmed-text    = SPTAB *( 1*NON-NL / NL SPTAB )

verbatim-text   = NL    *( 1*NON-NL / NL SPTAB )

single-text     = "-" text-payload

dict-block      = "{" NL *xhf-item "}" NL

array-block     = "[" NL *xhf-item "]" NL

special-expr    = "=" SPTAB known-specials NL

known-specials  = "#" ("null" / "undef")

comment         = "#" *NON-NL NL

NL              = [\n]
NON-NL          = [^\n]
SPTAB           = [\ \t]
NAME            = [0-9A-Za-z_.-/~!]

Some notes on current definition

field-name, field-subscript

field-name can contain /, ., ~ and !. Former two are for file names (path separator and extension separator). Later two (and field-subscript) are incorporated just to help writing test input/output data for YATT::Lite, so these can be arguable for general use.

trimmed-text vs verbatim-text

If field-name is separated by ": ", its field-value will be trimmed their leading/trailing spaces/tabs. This is useful to handle hand-written configuration files.

But for some software-testing purpose(e.g. templating engine!), this space-trimming makes it impossible to write exact input/output data.

So, when field-sep is NL, field-value is not trimmed.

LF vs CRLF

Currently, I'm not so rigid to reject the use of CRLF. This ambiguity may harm use of XHF as a serialization format, however.

"," can be used in-place of "-".

This feature also may be arguable for general use.

":" without name was valid, but is now deprecated.

Previously valid

: bar

which represents ( "" => "bar" ), is now invalid. Please use two "- " items like following:

- 
- bar

XXX: Hmm, should I provide deprecation cycle? Are there someone already used XHF to serialize important data even before having this manual? If so, please contact me. I will add an option to allow this.

line-continuation is valid.

Although line-continuation is obsoleted in HTTP headers, line-continuation will be kept valid in XHF spec. This is my preference.

AUTHOR

"KOBAYASI, Hiroaki" <hkoba@cpan.org>

LICENSE

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