NAME

Tripletail::Session - セッション

SYNOPSIS

PCブラウザ向け

$TL->startCgi(
    -DB      => 'DB',
    -Session => 'Session',
    -main    => \&main,
);

sub main {
    my $session = $TL->getSession('Session');

    my $oldValue = $session->getValue;
    
    $session->setValue(12345);

    ...
}

携帯ブラウザ向け

$TL->setInputFilter('Tripletail::InputFilter::MobileHTML');
$TL->startCgi(
    -DB      => 'DB',
    -Session => 'Session',
    -main    => \&main,
);

sub main {
    $TL->setContentFilter(
        'Tripletail::Filter::MobileHTML',
        charset => 'Shift_JIS',
    );
    my $session = $TL->getSession('Session');

    my $oldValue = $session->getValue;
    
    $session->setValue(12345);

    ...
}

DESCRIPTION

64bit符号無し整数値の管理機能を持ったセッション管理クラス。

セッションは64bit整数から負の数を除いた範囲(0..9223372036854775807)以外の データを取り扱えない為、その他のデータを管理したい場合は、 セッションキーを用い別途管理する必要がある。

セッションの管理は DB を利用して行われる。

また、保存に利用するテーブルは自動的に作成される。 デフォルトでは tl_session_Session という名前になる。 (Ini 項目 "sessiontable" 参照)

プログラム本体とDB接続を共有するため、以下の点に注意しなければならない。

  • セッションの操作は、トランザクション中及びテーブルロック中には行わない。

  • コンテンツの出力操作は、トランザクション中及びテーブルロック中には行わない。

セッションキーは、 出力フィルタTripletail::Filter::HTML を使用している場合は クッキー に、 Tripletail::Filter::MobileHTML の場合は クエリ に、それぞれ挿入される。

また、 入力フィルタTripletail::InputFilter::HTML を使用している場合は クッキー から、Tripletail::InputFilter::MobileHTML の場合は クエリ から、それぞれ読み取られる。

出力フィルタに Tripletail::Filter::HTML を利用した場合は、 入力フィルタに Tripletail::InputFilter::HTML を使用する必要がある。

同様に、出力フィルタに Tripletail::Filter::MobileHTML を利用した場合は、 入力フィルタに Tripletail::InputFilter::MobileHTML を使用する必要がある。

出力フィルタに Tripletail::Filter::MobileHTML を利用する場合は フォームの利用の仕方に注意が必要であるため、 Tripletail::Filter::MobileHTML ドキュメントに書かれている 利用方法を別途確認すること。

METHODS

$TL->getSession
$session = $TL->getSession($group)

Tripletail::Session オブジェクトを取得。 引数には ini で設定したグループ名を渡す。省略可能。

このメソッドは、 Tripletail#startCgi の呼び出し時に -Session => '(Iniグループ名)' で指定されたグループのセッションが有効化 されていなければ die する。

引数省略時は 'Session' グループが使用される。

isHttps
$session->isHttps

現在のリクエストがhttpsなら1を、そうでなければundefを返す。

if ($session->isHttps) {
    ...
}
get
$sid = $session->get

ユニークなセッションキーを取得する。セッションが存在しなければ、新規に発行する。

バックエンドが RDBMS の場合には、セッションキーは 64bit 整数値の負の数を除いた範囲となる。 Perlでは通常 32bit 整数値までしか扱えないため、セッションキーを数値として扱ってはならない。

バックエンドが MongoDB の場合には、セッションキーは ObjectId (https://docs.mongodb.com/manual/reference/method/ObjectId/) の 16 進表現となる。次のように MongoDB::OID のコンストラクタに渡す事で OID オブジェクトを作る事ができる:

my $sid = MongoDB::OID->new($session->get);

セッションの発行は常に行え、double モード時の非SSL側からの get メソッド呼び出しでもセッションは設定される。 ただし、SSL側からアクセスした際にセッションが無効になるため、その時にセッションIDは再作成される。

このメソッドの呼び出しは、コンテンツデータを返す前に行わなければならない。

renew
$sid = $session->renew

新しくユニークなセッションキーを発行し、取得する。

以前のセッションキーが存在した場合、そのセッションキーは無効となる。 また、以前のセッションに保存されていた値も破棄される。

このメソッドの呼び出しは、コンテンツデータを返す前に行わなければならない。

discard
$session->discard

現在のセッションキーを無効にする。 また、セッションに保存されていた値も破棄される。

このメソッドの呼び出しは、コンテンツデータを返す前に行わなければならない。

setValue
$session->setValue($value)

セッションに値を設定する。

バックエンドが RDBMS の場合には、設定できる値は 64bit 符号無し整数のみである(※PostgreSQL利用時は64bit整数値のみ)。

バックエンドが MongoDB の場合には、設定できる値は ObjectId (https://docs.mongodb.com/manual/reference/method/ObjectId/) の 16 進表現のみである。

その他のデータを管理したい場合は、セッションキーを用いて別途実装する必要がある。

doubleモードの場合は、SSL起動時の場合に限り、両方のセッションに書き込まれる。 doubleモードで非SSL側からこのメソッドを使ってセッションを書換えようとした場合、 httpsモードで非SSL側から書き換えようとした場合は die する。

このメソッドの呼び出しは、コンテンツデータを返す前に行わなければならない。

getValue
$value = $session->getValue

セッションから値を取得する。

セッションが存在しない場合は undef を返す。

getSessionInfo
($name, $sid, $checkval) = $session->getSessionInfo

セッション情報を取得する。

クッキーやフォームにセッションを保存する際の名称、セッションキー、チェック値を返す。 チェック値は、現在のリクエストが https/http によって使用されているものが返される。 そのため、double モードの場合、現在のリクエスト状態に応じてチェック値が異なる。

セッションが存在しない場合は $sid、$checkval には undef が返る。

古いセッションデータの削除

TripletaiL は、古いセッションデータを削除することはしません。

パフォーマンスを維持するため、古いセッションデータを定期的に削除するバッチを作成し、定期的に 実行するようにして下さい。

削除は以下のようなクエリで行えます。

DELETE FROM tablename WHERE updatetime < now() - INTERVAL 7 DAY LIMIT 10000

セッションの保存期間にあわせて、WHERE条件を変更して下さい。

また、セッションテーブルがMyISAM形式の場合は、LIMIT句を付けて一度に削除する レコード件数を制限し、長時間ロックがかからないようにすることを推奨します。

DELETE結果の件数が0件になるまで、ループして処理して下さい。

セッションテーブルがInnoDB形式の場合も、トランザクションが大きくなりすぎないよう、 LIMIT句を利用することを推奨します。

MongoDB の場合

MongoDB の場合には、各セッションデータの最終更新日時はドキュメントの u フィールドに date 型で格納されます。

TripletaiL 0.29 以前のセッションテーブルの注意

TripletaiL 0.29 以前では、セッションテーブルを作成する際に、 updatetime カラムにインデックスを張っていませんでした。

レコードの件数が多い場合、古いデータの削除に時間がかかることがあります。 その場合は、updatetime カラムにインデックスを張るようにして下さい。

0.30以降では、セッションテーブル作成時にインデックスを張るように動作が変更されています。

ALTER TABLE tablename ADD INDEX (updatetime);
CREATE INDEX tablename_updtime_idx ON tablename (updatetime);

Ini パラメータ

mode
mode = double

設定可能な値は、'http'、 'https'、 'double'のいずれか。省略可能。

デフォルトはdouble。

httpモード

SSLでの保護がないセッションを利用する。http/httpsの両方で使用できるが、セッションキーはhttp側から漏洩する可能性があるため、https領域からアクセスした場合も、十分な安全性は確保できないことに注意する必要がある。

httpsモード

SSLでの保護があるセッションを利用する。セッションキーはhttp側からの漏洩を防ぐため、http通信上には出力されない。https側でのみセッションへのアクセスが可能。

doubleモード

http側とhttps側で二重にセッションを張る。 https側からのみセッションへの書き込み・破棄が行え、その際にhttp側のセッション情報も同時に書き換えられる。 http側からはhttps側からセットされたセッション情報の参照のみが出来る。

http側はセッションキー漏洩の危険性があり、十分な安全性は確保できないが、https側は十分な安全性が確保できる。http側からセッションキーが漏洩した場合でも、https領域でのアクセスは安全である。

              http領域読込    http領域書込    https領域読込   http領域書込
httpモード    ○              ○              ○              ○
httpsモード   die             die             ○              ○
doubleモード  ○              die             ○              ○
cookie = Cookie

http領域で使用するクッキーのグループ名を指定する。省略可能。

デフォルトは'Cookie'。

securecookie

https 領域で使用するクッキーのグループ名を指定する。省略可能。 secureフラグが付いていなければエラーとなる。

デフォルトは'SecureCookie'.

timeout
timeout = 30 min

指定の時間経過したセッションは無効とする。度量衡 参照。省略可能。 最短で timeout - updateinterval の時間でタイムアウトする可能性がある。

デフォルトは30min。

updateinterval
updateinterval = 10 min

最終更新時刻から指定時間以上経過していたら、DBの更新時刻を更新する。度量衡 参照。省略可能。 最短で timeout - updateinterval の時間でタイムアウトする可能性がある。

デフォルトは10min。

setvaluewithrenew
setvaluewithrenew = 1

setValueした際に自動的にrenewを行うか否か。 0の場合、行わない。 1の場合、行う。

デフォルトは1。

dbgroup
dbgroup = DB

使用するDBのグループ名。 ini で設定したグループ名を渡す。 Tripletail#startCgi で有効化しなければならない:

# RDBMS をバックエンドにする場合の例
$TL->startCgi(
    -DB      => 'DB',
    -Session => 'Session',
    -main    => \&main,
);

# MongoDB をバックエンドにする場合の例
$TL->startCgi(
    -MongoDB => 'MongoDB',
    -Session => 'Session',
    -main    => \&main,
);
dbset
dbset = W_Trans

使用する書き込み用DBセット名。 Tripletail#startCgi で有効化しなければならない。 ini で設定したグループ名を渡す。

この項目は RDBMS をバックエンドにする場合にのみ使用される。

readdbset
readdbset = R_Trans

使用する読み込み用DBセット名。 Tripletail#startCgi で有効化しなければならない。 ini で設定したグループ名を渡す。

省略された場合は dbset と同じものが使用される。

この項目は RDBMS をバックエンドにする場合にのみ使用される。

sessiontable
sessiontable = tl_session

セッションで使用するテーブル名。 デフォルトは tl_session_グループ名 が使用される。

この項目は RDBMS をバックエンドにする場合にのみ使用される。MongoDB の場合には "session_ns" を設定しなければならない。

session_ns
session_ns = tl.session

MongoDB をバックエンドにする際にセッションで使用する名前空間。 DB名.コレクション名 の形式で指定する。 この項目は MongoDB を用いる場合には省略不可能である。

mysqlsessiontabletype
mysqlsessiontabletype = InnoDB

MySQLの場合、セッションで使用するテーブルの種類を何にするかを指定する。 デフォルトは指定無し。

セッションの管理情報が重要である場合、例えばアフィリエイトの追跡に 利用していて、セッションが意図せず途切れるとユーザに金銭的被害が 生じるような場合は、InnoDB を利用することを推奨します。

それ以外の場合は、MyISAM を利用することを推奨します。 TripletaiL のセッションテーブルは Fixed 型となるため、 非常に高速にアクセスできます。

csrfkey
csrfkey = JLapCbI4XW7G8oEi

addSessionCheck及びhaveSessionCheckで使用するキー。 サイト毎に値を変更する必要性がある。

logging
logging = 1

セッション管理のログを出力するかを指定する。 1 を指定するとセッション管理情報をログに出力する。0 なら出力しない。 デフォルトは 0。

SEE ALSO

Tripletail
Tripletail::Cookie
Tripletail::DB
Tripletail::Filter::HTML
Tripletail::Filter::MobileHTML
Tripletail::InputFilter::HTML
Tripletail::InputFilter::MobileHTML

AUTHOR INFORMATION

    Copyright 2006 YMIRLINK Inc.

    This framework is free software; you can redistribute it and/or modify it under the same terms as Perl itself

    このフレームワークはフリーソフトウェアです。あなたは Perl と同じライセンスの 元で再配布及び変更を行うことが出来ます。

    Address bug reports and comments to: tl@tripletail.jp

    HP : http://tripletail.jp/